2026年7月23日(木)
この日は、静岡県議会厚生委員会県内視察の2日目として、伊豆市・富士市を訪問し、地域福祉、子育て支援、動物愛護の取組について学びました。
○伊豆市社会福祉協議会(伊豆市)
伊豆市社会福祉協議会を訪問し、「第4次伊豆市地域福祉活動計画」の取組や、中山間地域における地域福祉の推進について説明を受けました。
伊豆市社会福祉協議会では、「だれもが安心して暮らせる地域福祉づくり」を基本理念に掲げ、「福祉のひとづくり」「共生のまちづくり」「安心できる環境づくり」の3つを柱として、地域住民、自治会、民生委員・児童委員、ボランティア、福祉団体、行政などが連携しながら地域福祉を推進しています。
また、ボランティアセンター、おたがいさまサービス、ふれあいサロン、移送サービス、子育て支援、福祉総合相談、介護・障がい福祉サービスなど、地域の実情に応じた幅広い事業を展開しています。
会長からは、自助・共助・公助がそれぞれの役割を果たし、一人ひとりが地域とのつながりを意識しながら、お互いに助け合い、協力し合うことが大切であるとのお話がありました。
人口減少や少子高齢化が進む地域では、「誰かがやってくれる」という考え方だけでは地域を支えきれません。地域住民一人ひとりが「自分も地域を支える一人」という意識を持ち、それぞれができることを積み重ねていくことが、これからの地域福祉には欠かせないと改めて感じました。
函南町をはじめ伊豆地域も同じ課題を抱えています。行政、社会福祉協議会、自治会、民生委員・児童委員、ボランティア、そして地域住民が力を合わせ、人と人とのつながりを大切にした地域づくりを進めていくことの重要性を学びました。
○複合型子育て拠点「みらいてらす」(富士市)
富士市の「みらいてらす」は、廃園となった幼稚園をリノベーションし、子育て支援センター、放課後児童クラブ、子どもと一緒に過ごせるワーク・交流スペースを一体化した複合型子育て拠点です。
「仕事と家庭を両立しながら、適度に働きたい」という子育て世代のニーズに応え、子どもを安心して遊ばせながら、仕事や勉強、交流ができる環境を整えています。子育て支援だけでなく、就労支援や移住・定住促進にもつなげる新しい発想の施設となっていました。
また、保護者の就労の有無にかかわらず、一定時間、保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」の先行的な取組も進められています。
実際に施設内を見学すると、放課後児童クラブには多くの子どもたちがおり、元気な声が響く大変賑やかな施設でした。子どもと一緒に過ごせるワークスペースや交流スペースも利用者でいっぱいで、施設が地域にしっかりと根付いていることを実感しました。
行政が施設を整備しても、利用が伸びず、期待した効果が得られない例も少なくありません。その中で「みらいてらす」は、子育て支援、就労支援、地域交流が一体となって実際に機能している、全国的にも稀に見る成功事例ではないかと感じました。
子育て支援は、単なる福祉施策ではありません。「このまちで子育てをしたい」「住み続けたい」と思っていただける、まちづくりそのものです。既存施設の有効活用も含め、地域の実情に合った子育て支援の在り方について、今後の政策づくりに生かしていきたいと思います。
○静岡県動物愛護センター「しっぽのバトン」(富士市)
最後に、令和7年11月に開所した静岡県動物愛護センター「しっぽのバトン」を視察しました。
以前、浜松市にあった施設は、県民の間でも「殺処分施設」という印象を持たれることが少なくありませんでした。新たなセンターは、そのイメージを大きく転換し、保護した犬や猫を新しい家族へつなぐ「命をつなぐ施設」として整備されています。
目指しているのは、殺処分ゼロの継続です。職員や指定管理者、ボランティアの皆さんが、一頭一頭に愛情を持って接している姿が大変印象的でした。
施設内は非常に衛生的で、検査機器も充実しており、保護された犬や猫の健康に最大限配慮した環境が整えられています。マッチングルームや猫展示エリア、広いドッグラン、研修室なども設けられ、動物愛護教育や適正飼養の普及啓発にも活用されています。
里親を希望する方は、SNSなどを通じて保護犬や保護猫の情報を確認できるなど、新しい家族との出会いにつなげる工夫も進められています。
また、脱臭設備をはじめとする周辺環境への対策も徹底され、近隣住民の理解を得ながら運営されている点も重要です。動物愛護の取組を継続していくためには、施設だけでなく、地域との信頼関係が欠かせないことを改めて感じました。
動物愛護は、動物のためだけの施策ではありません。命を大切にする心を育み、人と動物が共生できる地域社会を築くための取組です。静岡県が全国に誇れる殺処分ゼロを今後も継続できるよう、現場の声を県政に反映してまいります。
今回の視察では、地域福祉、子育て支援、動物愛護という異なる分野について学びました。
共通していたのは、行政だけで課題を解決するのではなく、地域住民、社会福祉協議会、民間事業者、ボランティアなど、多くの人や団体がそれぞれの役割を担い、連携していることです。
人口減少や少子高齢化が進む中、「誰かがやってくれる」では地域を維持することはできません。一人ひとりが地域の担い手であるという意識を持ち、それぞれができることを積み重ねていくことの大切さを改めて感じました。
二日間の視察を通じて、最先端の研究、感染症対策、地域医療、地域福祉、子育て支援、動物愛護と、幅広い分野について学びました。
それぞれの現場で共通していたのは、一つの組織だけでは課題を解決できないということです。研究機関、医療機関、行政、地域、民間、ボランティアが、それぞれの強みを生かして連携することで、持続可能な仕組みが生まれます。
そして、制度や施設を動かすのは、最後は人です。今回、現場で伺った声や実際に見た取組を、今後の厚生委員会での議論や政策提言にしっかりと生かしてまいります。
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