厚生委員会県内視察(1日目)

2026年7月22日(水)

この日は、静岡県議会厚生委員会の県内視察1日目として、三島市及び伊豆の国市において、生命科学研究、感染症対策、地域福祉、地域医療について視察を行いました。

○国立遺伝学研究所(三島市)

最初に訪れたのは、生命科学・遺伝学研究の国内中核機関である国立遺伝学研究所です。

近年、ゲノム解析技術は飛躍的に進歩し、難病や希少疾病の原因解明、個別化医療、新たな治療法の開発など、医療の未来を大きく変えようとしています。

研究者の皆さんからは、最先端の研究内容だけでなく、長い年月をかけて基礎研究を積み重ねることの重要性についてもお話を伺いました。

基礎研究は成果がすぐに見えるものではありません。しかし、その積み重ねが将来、多くの命を救い、誰かの希望につながります。

私自身、障がいのある娘を育てる親として、こうした研究がいつの日か新たな治療法や支援につながる可能性に大きな期待を抱きました。

未来への投資として、研究者が安心して研究を続けられる環境づくりも、行政が果たすべき大切な役割だと改めて感じました。

○静岡県感染症管理センター(三島市)

続いて、静岡県感染症管理センターを視察しました。

県内の感染症情報を一元的に集約・分析し、市町、保健所、医療機関と連携しながら迅速な情報共有を行う体制について説明を受けました。

特に印象に残ったのは、感染症対策支援システム「めんぼーくん」です。

医療機関や行政が患者情報や対応状況をリアルタイムで共有できる仕組みであり、新型コロナウイルス感染症への対応で得られた教訓を生かし、新たな感染症にも迅速に対応できる体制が構築されていました。

災害対応も同様ですが、有事に機能する仕組みは、平時から使い慣れ、関係機関が連携してこそ真価を発揮します。

デジタル技術は目的ではなく、県民の命と暮らしを守るための手段であることを改めて実感しました。

○三島市福祉応援大使「めんぼーくん」(河合孝彦氏)

午後は、三島市福祉応援大使「めんぼーくん」として活動されている河合孝彦さんからお話を伺いました。

精神保健福祉士として長年福祉の現場に携わる一方、大道芸やお笑い、絵本の読み聞かせなど、多彩な活動を通じて福祉への理解を広げる活動を続けられています。

「福祉は制度だけではなく、人と人とのつながりから始まる。」

この言葉がとても印象に残りました。

制度を整えることはもちろん重要ですが、地域の中で自然と支え合い、笑顔が生まれる環境をつくることも同じくらい大切です。

専門知識とユーモアを融合させ、「楽しいから参加したら、いつの間にか福祉を学んでいた」という空気づくりは、多くの地域づくりにも通じるものがあると感じました。

○順天堂大学医学部附属静岡病院(伊豆の国市)

最後に、順天堂大学医学部附属静岡病院を訪れ、伊豆地域における地域医療や医師確保、人材育成について説明を受けました。

人口減少や高齢化、医師の地域偏在など、伊豆地域は全国に先行して課題が進んでいます。

その中で、順天堂大学静岡病院は高度医療を担う基幹病院としてだけでなく、医師や薬剤師など地域医療を支える人材を育成し、地域全体を支える役割を果たしています。

薬学部地域枠の導入など、学生の段階から地域医療への理解を深め、将来地域で活躍する人材を育てる取組は、大変意義のあるものだと感じました。

そして、この病院は私にとって特別な場所でもあります。

約20年前、子どもたちがNICU(新生児集中治療室)で大変お世話になりました。

先の見えない不安の中、医師や看護師の皆さんから掛けていただいた温かい言葉に、家族がどれほど励まされたか、今でも忘れることはできません。

あの時支えていただいた恩を、今度は県議会議員として地域医療の充実に取り組むことで少しでもお返ししたい。その思いを新たにしながら視察に臨みました。

地域医療は、一つの病院だけで守れるものではありません。

行政、大学、医療機関、そして地域住民が同じ方向を向き、将来を見据えて人材を育て、支え合う仕組みを築いていくことが何より重要であると改めて認識しました。

今回の視察では、生命科学、感染症対策、地域福祉、地域医療という異なる分野を学びましたが、共通していたのは「未来への備え」でした。

基礎研究への投資、感染症に備える危機管理、人と人とのつながりを育む地域福祉、そして地域医療を支える人材育成。

どれも今日明日で成果が出るものではありません。しかし、未来の県民の安心につながる大切な取組です。

今回の学びを県政にしっかり反映し、誰もが安心して暮らし続けられる静岡県づくりに努めてまいります。

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