2026年1月20日(火)
この日は、看護を考える議員連盟として、伊豆地区の地域医療の現状を把握するため、『JA静岡厚生連 中伊豆温泉病院』、『順天堂大学医学部附属静岡病院』を訪問し、院内見学とともに、現場の声を伺いました。
現場で強く感じたのは、医師と看護職とでは抱えている課題の性質が大きく異なるにもかかわらず、その違いが制度や支援策に十分反映されていないという現実です。
医師については、働き方改革を背景とした支援制度や補助事業が一定程度用意されています。一方、看護の現場では慢性的な人手不足が続き、夜勤や長時間労働、業務の複雑化が日常化しています。2025年問題を背景に、高齢患者の増加や医療の高度化が進む中で、看護職の負担は確実に増していますが、業務改善や負担軽減に直接使える支援が、現場まで十分に届いていないという声が多く聞かれました。
特に看護の現場からは、コロナ禍による実習機会の不足により、新人看護師の実践力の形成に時間を要している現状が示されました。経験年数の浅い職員の割合が高い中で、安全と看護の質をどう確保するかは、現場にとって切実な課題です。
また、若い看護師の将来像として、いずれは地元に戻り、実家から通いながら働きたい、仕事だけでなく家族や地域での暮らし、プライベートの時間も大切にしたいという、ごく自然な思いが語られました。しかし、夜勤や業務負担の大きさが、その希望を叶えにくくしている現実もあります。
子育て世代の看護師が直面する課題も深刻です。親と同居していない世帯も多く、育児は自らが担うしかない中で働いています。順天堂大学医学部附属静岡病院では院内託児所が整備されていますが、受け入れは約10名程度に限られており、十分とは言えません。病院の努力だけでは限界があり、安心して子育てをしながら働ける環境づくりには、より広い支援が必要だと感じました。
さらに、医療機能が大きな病院へ集中し、病床稼働率が常に90%を超える水準で推移しているという現実も共有されました。平時でさえ満床に近い状況が続いており、限られた病床をどう確保するかに現場は日々苦慮しています。この状態で災害が発生すれば、受け入れの余裕はほとんどありません。効率化や集約化が進む一方で、非常時に耐えられる余白が失われていることへの危機感を強く持ちました。
医療従事者を支えるのは、病院だけでは限界があります。若い世代や子育て世代が安心して働き続けるためには、医療機関、行政、地域がそれぞれの立場で役割を果たし、地域全体で医療を支える意識が不可欠です。
現場の努力や献身に依存するのではなく、誰にどんな支援が届いているのか、制度の設計そのものを見直す必要があります。地域が一体となって医療従事者を支えることが、結果として自分たちの命と暮らしを守ることにつながります。
本日伺った現場の生の声を、県議会の場でしっかりと共有し、看護の現場にも実感をもって届く支援、そして災害時にも耐えうる地域医療体制の構築につなげていきます。
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