2025年10月14日(火)~16日(木)
10月14日から16日にかけて、総務委員会で長崎県と佐賀県を訪問し、民間主導のまちづくり、自治体連携による公共施設運営、地域産業と観光の融合など、各地の先進的な取組を学びました。
〇長崎スタジアムシティ(長崎県長崎市)
長崎駅前に整備された長崎スタジアムシティは、サッカースタジアムを中心に、ホテル、商業施設、アリーナ、オフィスが融合した複合都市空間です。
行政に頼らず、ジャパネットグループが企画から運営まで一貫して担っており、スポーツを軸にした新しい都市型開発のモデルとして注目されています。
地域に雇用と賑わいを生み出し、経済を循環させる仕組みとしての期待も大きく、民間の発想と実行力が地域を成長させる力を感じました。
〇長崎市役所(長崎県長崎市)
令和5年に全面移転した新庁舎は、災害対応拠点としての機能を強化しながら、市民が気軽に立ち寄れる開かれた空間として整備されています。
カフェや展望ロビーが設けられ、行政施設でありながら市民の憩いの場にもなっており、行政DXの推進やワンストップ窓口の導入など、利便性向上への工夫も随所に見られました。
行政機能と公共空間の融合という点で、今後の県庁舎整備の方向性を考えるうえで大きな示唆を受けました。
〇ミライon図書館(長崎県大村市)
長崎県と大村市が連携して運営するミライon図書館は、県立と市立の機能を一体化した全国でも珍しい複合施設です。
機能性だけでなく、デザイン性と快適性にも優れ、誰もが過ごしやすく、訪れるたびに誇りを感じる建築でした。
光を多く取り入れた明るい館内とゆとりある空間設計は、学びと交流の場として理想的であり、県や市のシンボルとして地域の魅力を高めています。
公共施設が「自慢したくなる場所」であることの大切さを改めて実感し、これからの公共建築に求められる方向性を示していると感じました。
〇和多屋別荘(佐賀県嬉野市)
嬉野温泉を代表する老舗旅館、和多屋別荘では、経営再建をきっかけに地域創生とイノベーションを軸にした取組を進めています。
サテライトオフィスの誘致、スタートアップと地域をつなぐOnsen Incubation Centerの開設、外国人材育成のための日本語学校設立など、宿泊施設を地域の創業拠点として活用しています。
特に印象的だったのは、お茶産業を通じた地域振興の取組です。
これまで無料で提供されてきたお茶を、空間や器、演出を組み合わせた体験として再構築し、有料の嬉野茶体験へと発展させています。
茶農家、職人、旅館が連携し、お茶を飲む文化そのものを地域ブランドとして磨き上げており、観光と産業振興を両立する先進的なモデルです。
地域全体で茶の価値を高めるこの仕組みは、静岡県の茶産業にとっても大きなヒントになると感じました。
観光、教育、スタートアップなど異なる分野と連携し、静岡茶を体験し、学び、仕事につなげる新しい展開が求められています。
それぞれの現場で共通して感じたのは、行政、民間、地域がそれぞれの強みを発揮しながら、協働して新しい価値を生み出していることです。
こうした取組を静岡県の政策や地域づくりにも活かし、より豊かで誇れる地域を目指してまいります。
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