2025年2月6日(木)
この日は、地震津波対策を考える議員連盟の視察のため、岩手県の岩手県庁と山田町、宮城県の南三陸町に伺いました。
岩手県庁では、東日本大震災からの復興の取り組み状況について説明を受けました。
安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生、そして未来に向けた伝承・発信と震災より14年間の大変なご苦労をしながら創り上げてきた実績を知ることができました。
また、中長期的な課題はまだまだ山積しているというお話を聴くことができましたが、特に心に傷を負った被災した子どものケアがコロナ禍の影響による家庭環境の変化を起因として増えているということだったので少しでも早い改善がなされることを願います。
〇山田町
山田町では山田町役場にて佐藤信逸町長自らが、東日本大震災からの復興状況や当時の様子をお話しいただきました。
幸い役場は津波の被害に遭わなかったことで防災拠点となったことや津波の後の大規模火災による町の消失、首長として将来を見越して町の商業施設を集積しコンパクトに町をデザインすることで賑わいを創出、災害時に防災機能の喪失を防ぐために高台へ公共防災エリアを立地するなど大変貴重なお話を聴くことができました。
次に、織笠漁港(おりかさぎょこう)に移動して織笠防潮堤を視察しました。
織笠防潮堤は日本最大級の防潮堤で、高さは14.7m、全域2.4㎞ にも及びます。
東日本大震災の教訓を踏まえた設計がなされており、防潮堤の高さを従来よりも大幅に踏まえ、より強固な構造へと改善されているそうです。
また、最新の耐震設計が採用され、地震による被害を防ぐ工夫がされており、津波が防潮堤を乗り越えた場合でも、側面にある避難エリアや高台へ誘導できる設計になっていました。
他にも、大ヒットアニメ映画である新海 誠 監督のアニメーション映画『すずめの戸締まり』に出てくる「後ろ戸」が織笠展望台に設置されています。聖地巡礼で沢山の観光客が山田町に訪れていただけているそうで、素晴らしい復興支援だと思いました。
〇南三陸町
宮城県に移動して、南三陸町を視察しました。
南三陸町にある震災復興記念公園にて南三陸町役場の職員の方から当時の様子を伺いました。
東日本大震災で南三陸町は最大震度6強を観測。大津波が発生。その津波の高さは最大約20mに達し、町の中心部を飲み込み、町の約6割の面積が浸水し、建物の一部が流失または倒壊。人的被害、建物・インフラ被害も甚大な上、交通網も寸断され、一時孤立状態となったそうです。
この時の被害と教訓は、現在の防災・減災活動において重要な役割を果たしています。
自身の命を顧みずに最後まで救助にあたった方達のお話、日常ではとても想像できないような災害時の様子、被災時の困りごとや工夫したこと、そんな経験を元に改善された防災対策など大災害経験者の生の声を聴けたことで大変貴重で有意義な視察となりました。







