2024年11月11日(月)
この日は、滋賀県に在る『高島浄化センター』に視察に行ってきました。
高島浄化センターは、滋賀県の高島市内の下水を集め、きれいにして琵琶湖に放流している下水処理場です。
ここでは、下水を処理する過程で発生する下水汚泥の処理方法として、微生物により分解する好気性発酵により肥料を作るコンポスト化を行っており、場内に設けるコンポスト化施設により下水汚泥をこの製造した肥料を地域で利用する地産地消による資源循環の構築を目指しており、コンポスト化は、滋賀県の下水処理場においては初めての導入となっています。
下水汚泥は、下水をきれいにする過程で、沈でん等により取り除かれた、下水中の有機物などが泥状になったもので、成分的および量的に肥料原料としての価値が高く、そこから生産された肥料は安定した純国産肥料として、地域にとって自給できる貴重な資源といえます。
その下水汚泥を原料に、空気を吹き込みながら定期的な切返しを行い、好気性微生物の活動を活発化させて汚泥を分解安定化する好気性発酵により製造しています。
下水汚泥肥料の特徴としては、3大肥料成分(窒素、リン、加里)のうち、窒素、リンが多く含まれ、発酵熱(90℃以上)によって有害な微生物・寄生虫・種子等が死滅・不活性化、更に発酵により汚泥特有の臭気が減少します。
また、高島浄化センターコンポスト化施設で製造した肥料は、肥料法に基づき、公定規格を満たし肥料登録をおこなって普通肥料(汚泥発酵肥料)として、なんと1kg/2円で販売していました。
その他、普及啓発活動として、肥料成分や安全性のデータ分析をした結果を生産業者補償票として発行、家庭菜園をおこなっている町民を対象に肥料の効果的な使い方をご提案、肥料の形をペレット2種類・粉体一種類と用途に合わせて選択できるなど生産者が安心して使っていただけるよう様々な取り組みを行っています。
函南町にも狩野川東部浄化センターがありますが、現在は下水汚泥を有料にて廃棄処分しています。高島浄化センターで排出される下水汚泥よりも少し多いくらいですが、この仕組みで堆肥化するにはちょうどよい量だということだったので狩野川東部浄化センターでも事業化の機会を創出できるうに今後の活動の課題にします。