2024年11月7日(木)ー8日(金)
農業農村整備事業の現地視察研修会が開催され、岐阜県と愛知県へと視察に行ってきました。
5つの土地改良区の業務を合同で行うことで、事務の効率化と経費の削減を図っている。また、この地域は海抜ゼロメートル地帯のため、普段から排水施設を管理し合理的な排水を行うことより、安定した農業生産をサポートしている。
〇高須輪中土地改良管理センター(岐阜県海津市)
3ヶ所の取水揚水機場及び22ケ所の加圧ポンプ場の運転操作を一括集中管理致している。
〇岐阜県就農支援センター(岐阜県海津市)
県が開発した「トマト独立ポット耕栽培システム」による「冬春トマト」の栽培技術と農業経営に必要な知識、技能等について、栽培実習を中心として講義・演習を交えた研修を実施しています。実際に圃場も視察させていただきました。
〇明治用水頭首工(愛知県豊田市)
明治用水は、昭和50年から農業だけでなく、工業とともに経済を支え、地域発展の礎となっている。頭首工から下流部へに向けた落差を利用した自然圧によって水が送られ、水源管理所に設置された遠方監視制御施設により、水の近代的管理を可能とした。令和4年5月に頭首工において漏水事故が発生し、現在も自然取水により必要取水量を取水しつつ、頭首工の機能回復に向けた復旧に取り組んでいる。
〇豊川総合用水土地改良区(愛知県豊橋市)
独立行政法人水資源機構からの委託を受け、支線水路などの施設を管理してる。幹線水路から支線水路へと取り込まれた水は、ため池や農業用貯水池へと送られ、管内5市にある159支線、総延長約392kmにもおよぶ施設の巡視・配水操作・点検を行い、安定した水を届けている。その他、支線水路に設置されている制水弁や分水工などを操作して水量を調整し、必要なところへ、必要な量の水を送っている。豊川用水を通じて送られる水のうち、約5割が農業用水として利用され、この地域の農業は全国有数の農業生産地域となっている。最後に小久保三夫理事長より「豊川用水次世代農業推進用議会」の説明を聴かせていただいた。当時、東三河の農業の個々での再建は難しく、組織の協力が必要だと思い、県には「再建するのはあなたたちの仕事」水資源機構には「農業を良くするとの思いを強く持ってほしい」と伝えたことで双方が動き、農林水産省や地元の自治体、大学、JA、6市が加わり、今ではスマート農業の活用やカーボンニュートラルを豊川用水の受益者に実現させ、地域ぐるみで新しい農業を目指しているという。
静岡県内には存在しない大規模な土地改良区を視察できたことや小久保理事長のお話を聴けたことで、長年に渡って自然災害で悩まされている地域住民や農業家を救う可能性を感じることができた。