浜岡原子力発電所視察

2023年8月10日(金)
浜岡原子力発電所は、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降も、津波対策や重大事故等対策などを自主的に進めるとともに、福島第一の事故の反省と教訓を踏まえ、原子力規制委員会が設置され、新規制基準基準が施行されました。これは、諸外国の規制基準や、地震・津波など我が国固有の自然条件の厳しさも勘案して策定されたものです。地震・津波対策の強化や、重大事故に至らせない対策、さらに重大事故の発生に備える安全対策を積み重ねています。「福島第一のような事故を起こさない」浜岡原子力発電所では、この固い決意のもと、考えられる万が一の事態に備え、幾重もの対策がなされ、働く全ての皆さんが緊張感を持って全力で働いていました。
この視察の中で最も感銘を受けたのは、浜岡原子力発電所で、過去に経験した事故やトラブルから学んだ教訓、これまで蓄積してきたノウハウを風化させることなく技術伝承していくための研修施設「失敗に学ぶ回廊」です。ここでは、事故・トラブル概要を示すパネルや実物または模型を展示した「失敗事例を学ぶ」ゾーンやその失敗事例の原因を学ぶ「失敗事例の解説」ゾーンなどがあり、事故やトラブルに対応したOBのメッセージコーナーも設けられていました。現在、この施設は中部電力の強みとして所員の意識向上に寄与し、他の発電所での類似事象の発生防止に役立っているそうです。
世代が変わり、発電所が通常運転しているのを知らない従業員も増えてきているとのことで、次世代に伝えていくための仕組みが徹底されており、民間企業の経営者や管理職の方が観ても大変勉強になるかと思います。
何でもそうですが、「正しく恐れ、正しく使う」ことが重要です。幸い浜岡原子力発電所の施設内には見て・ふれて・遊んで・学べる浜岡原子力館があります。伊豆や東部地区からは少し遠くはなりますが、この夏休みを使って是非ご家族でご利用いただきたいです。
(※施設内写真は防犯対策で禁止されていました)